電気にAmazonプライムがタダでついてくることの意味

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大阪ガスは「大阪ガスの電気」というサービスを提供している。電力やガスの事業が自由化されたために、ガスと電気をセット契約すると割安になるものだ。このセットメニューに、Amazonプライム(年間3900円)が無料で付いてくるメニュー「スタイルプランP」のことをつい最近知った。このことが持つ意味を考えてみたい。

Amazonプライムの特徴的なサービスは、お急ぎ便、プライムビデオ、プライムミュージックだろう。多くの場合のプライム会員になる動機は、翌日配達のお急ぎ便に対する対価であり、それに3900円を払うと3万タイトルを超えるビデオと100万曲の音楽がタダでついてくるように感じる。そのため3900円という金額には納得感を感じる人が多いだろう。

話を変えて、地上波テレビについて考えてみる。地上波テレビはNHKを除いて無料で見られる。理由は言うまでもなく、CMを放送することでスポンサー企業からの広告宣伝費を受け取り、それで番組制作費などを行っているからだ。これによって視聴者からは見かけ上はコンテンツがタダに見える。このモデルは今でも秀逸で、2兆円弱のテレビ広告費を1億人で割ると、国民一人あたり2万円ほどの広告宣伝費を様々な商品サービスの価格に転嫁されたかたちで、結局は我々が払っていることになる。4人家族ならなんと8万円だ。

地上波テレビはビジネスモデルが秀逸なのである。それは視聴者目線でいうとコンテンツがタダだからだ。ただし金を払っている意識がないので、コンテンツ制作者側から見ると価値が評価されにくい側面も併せ持つ部分はある。

「大阪ガスの電気」は、電気とガスという公共料金にコンテンツがタダで付いてくるということだ。これまで地上波テレビが独占的に行ってきたコンテンツの無償提供を、テレビ局ではない業界企業がはじめてしまったのである。テレビ業界的にこの事例に対して大阪ガスに着目するか、Amazonに着目するかによって別の話になる。

大阪ガスを軸にすると、Amazon部分をNetflixやHulu、スカパー!やケーブルテレビなどに変えて提供される可能性がある。実際に大阪ガスはこのサービスを顧客のライフスタイルや個々のニーズに合わせて利用できる電気料金メニュー「スタイルプラン」としており、Amazonとのコラボレーションはその第1弾であるとしている。

Amazonを軸に考えると、大阪ガス以外にパートナーになり得る企業は無数に存在する。たとえばトヨタのクルマにはAmazonプライムが付いてくる、ドコモのケータイには・・・などというようにだ。Amazon側のメリットは、トヨタのユーザーをAmazon会員にできることだ。これを拡大されていくと、トヨタやドコモは地上波テレビで広告宣伝をする必要がなくなる。

いまの地上波テレビ局が考えなければいけないことは、ネット配信でも見逃し配信でもなく(そんなものは当たり前のサービスでしか無い)、時間枠売りからの脱却ができるかどうかにかかっていると思う。

なお、このサービスがお得かどうかはこちらのブログなど参考に
3階建てに暮らす
本当にお得?大阪ガスのAmazonプライム付き電気「スタイルプランP」を検証してみた
40代の資産運用,投資ブログ
大阪ガスで電気を契約すると,Amazonプライムがついてくるってよ.

 

【訂正】
公開時にテレビ広告費を2億円弱と記載しておりましたが、正しくは2兆円弱です。お詫びして訂正させていただきます。