【CES2019】Vol.08 ソニーの360 Reality Audioは音源が目に見えるほどのリアリティ

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ソニーはCES2019で、360度の立体音響技術「360 Reality Audio」を発表しデモンストレーションを行った。VRの世界では360度映像が録画側、再生側でより臨場感や没入感を得るために利用が進んでいるのはご承知のとおりだ。ソニーの360 Reality Audioはこれの音版、音楽版ということになる。360 Reality Audioはオブジェクトオーディオのための規格であるが、ソニーの独自規格ではなく「MPEG-H 3D Audio」に準拠している。

音楽コンテンツはいわゆるステレオ2チャンネルや、サラウンド5.1チャンネルのように、再生用のスピーカーの数に合わせてオーサリング(ミキシング)されている。一方、このオブジェクトオーディオでは、最大で24のオブジェクトを音が発生する座標と移動するベクトル情報として記録し、再生するときにスピーカーの数と位置に合わせて、音のレンダリングして再生する。専用のオーサリングツールで、再生する場所の立体空間の中に任意の位置に置くことができる。オーサリングツールのUIは、3次元区間のグラフィック上で各オブジェクト(楽器やボーカル)を任意の3次元空間にドラッグ&ドロップしていくスタイルだ。このオーサリング処理は、既存のマルチトラックの音源があれば対応可能であるとのこと。さらに360 Reality Audioの普及のため、アメリカの大手プロモーターであるLive Nationとの協業も発表された。

CES2019でのソニーのデモは3種類行われた。一つは360 Reality Audioが体験できるワイヤレススピーカーを参考展示。ワンボックススピーカーに複数のユニットを配置することで全方位に音を放射できるとしている。さらに専用のルーム(撮影は叶わず)に13個のスピーカーを設置して360度をカバーするものと、既存のヘッドホンを装着する前(内側)に小型のイヤホンのような計測装置を装着して聴取者個人の聴感特性を測定し、そのデータに基づいてレンダリング再生するというデモも体験できた。

筆者がこれら3つを体験した感想を述べると、特に13個のスピーカーのデモでは、まさに楽器や人がその場所にいるかのようなリアリティで再生される。8K放送での22.2チャンネル環境も確かに音に包まれる臨場感を感じるのだが、360 Reality Audioはさらに別次元の強烈なリアリティを感じることが出来た。いうなれば「音源が目に見える」感覚である。360度VRを組み合わせるとどういう事が起きるのかをぜひ体験してみたくなった。

GASKETでは、これまでも音と映像の近未来について取り上げているが、ソニーの360 Reality Audioはまさにこうした動きを加速させるような技術である。

高臨場感時代の音と映像の表現手法の再定義

VRでは音と映像の表現手法を原点から見直す必要がある

今後は映像上の画像認識と、音源が自動的に紐付けられて、オーサリングが自動でできるようなものが開発されていくに違いない。

SONY 360 Reality Audio (Official)