【CES2019】Vol.01 CESキーノート史上初(たぶん)、デジタルサイネージに言及

AI/Digital Signage/IoT/Media /

CES2019のキーノートは、LG、IBM、verizon、AMDといった顔ぶれであった。この中のLGのキーノートでは、登壇したLG社長兼CTOのパーク博士の口から、おそらくCES史上はじめて、デジタルサイネージについて言及があった。その部分からご覧頂きたい。

この前の文脈としては、概念的なAIの話、昨年のトヨタの示したものを復唱するようなモビリティ、そしてwebOSなどについての話題に続いて、スマートシティからのデジタルサイネージへの言及であった。今回のLGのキーノートは、正直新鮮味のある話はないのだが、白物からB2BまでをカバーしているLGの総合力を主張する内容であった。

コンセプトイメージビデオの中から。自動運転車内で、車載カメラが沿道の大型ビジョンの内容に認識して、それに関連したコマース情報を表示するというもの。

「デジタルサイネージは街に飛び出すインターネット」であると12年前に主張したのは筆者である。それに偽りも誇張もない。しかし、当時の放送との比較でいうと、弱者が行う放送もどきのサービスであった点は否定できない。インターネットによって、デジタルサイネージ事業者であっても別の場所に映像を安価に送ることができたからであり、それは画期的なことである。その後のデジタルサイネージの主流は、もともと広告媒体価値がある場所の看板やポスターの置き換えが大部分で、その媒体販売はテレビのような枠売り、時間売りであった。一人で1箇所のポスターを専有するよりも、複数の会社でシェアしたほうが、広告主、媒体社の双方にとって都合が良いからである。

今後さらに技術が進化することで、デジタルサイネージの本当の意味でのメディア特性である、「その時その場所で必要な情報の提供」という視点に立ち返ると、固定の枠単位での売買というのは矛盾する部分が出てくる。これが最適化された情報提供をダイナミックサイネージ(DDOOH=Dynamic Digital Out Of Home Media)で求められる所以であり、同時に媒体販売方法の矛盾を内包している。LGのキーノートでも、ダイナミック(動的)に映像コンテンツを変化させるためのトリガーとして、IoTやAIが機能する点についても言及されている。

新しいことは語られてはいないが、じっくりと1時間見ることで、ここまでの経緯や今後についてよくまとまった内容である。キーノートというのは技術発表会でも、製品発表会でもない。世の中に対して、近未来に向けたビジョンを示す場である。そしてこのビジョンというのは、すぐに現実味が無いと受け入れられないのである。そういう点では昨年のCESでにトヨタのプレスカンファレンスで豊田章男社長が示したのは、世の中のビジョンではなく自社の宣言でり、その影響力はキーノート以上であったということだ。

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