スピードではなくスピード感のない会社はうまくいかない

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ずいぶんと前の話であるが、孫さんとメールのやり取りをしていたときに学んだことがある。たまたま当時の彼の側近を介して紹介してもらい、一度お会いした程度の関係である。その時のやり取りは、当時の孫さんが力を入れていた放送メディア関連の案件であるが、何回かに渡るメールのやりとりのスピード感がすごいのである。当然ながら「いつも大変お世話になっております」「どうぞよろしくお願いいたします。」のような意味のない文章はない。紋切り型を嫌う日本のコミュニケーションにおいてはまったく無駄とまでは言わないが、ビジネスメールでは無駄としか筆者は思わない。孫さんのメールは、部下への指示出しの場合はたった一言だったりする。極端な場合は一言もなくメールが転送されるだけ。文章がある場合も当然ながら明確な短いもの。最近のことはわからないが、当時は1日3000通くらいのメールを全部自分で対応してると側近が言っていた。メールの多くは移動中の車内で行われていて、さらにその頃の孫さんの車にはFAXも搭載されていたそうだ。

さて一方、ここ最近一緒に仕事をしているスタートアップベンチャー(必ずしもITやメディア業界だけではない)も、コミュニケーションは早い。早いというのは、24時間いつでもメッセンジャーの返事が来るとか、企画書の作成が早いとか、時間的な速さではない。テンポが良い、リズムがいいとでも言えばいいのだろうか。結局人間の行動というのは結構いい加減な要素で決まっていくもので、熟考熟慮しているものばかりではなく、ノリで進んでしまうことも相当多い。

うまく行っていない会社の場合は、48時間以上メールの返事が来ない。その理由はいろいろ想像できて、自分では判断できなくて社内調整をしていたり、休日はメールを見ない(というよりは見られない会社が結構多い)などだ。これだとどうしてもダレる。

誤解していただきたくはないが、決して「24時間365日即レスするべき」という話ではない。いろんな選択肢がある中で、必要なタイミングでテンポよくレスがあれば、仮にレスの内容自体の内容品質が優れていなくても、連続性が保たれればそれで納得感も得られる。物事が決まらない、動かないよりは100倍マシなものである。

判断が早くて、回答が明確であること。
これが勢いのあるスタートアップベンチャーに共通なことである。そのためには日頃の体験や経験が物を言う。あとスタートアップの多くは良くも悪くも、自分のサービス、プロダクトしか見えていないことが多い。こうした思い入れの強さはむしろ重要なことだが、マクロな目線を両立できるかが課題。最近お付き合いさせていただいている会社はその両方を持ち合わせている。これらはスタートアップの話で、レガシーな会社には当てはまらないないことも多い。