同定サインでタッチパネル端末の利用率は上がる

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タッチパネルサイネージを使ってもらうための重要な要素として、設置位置と同定サインの有無がある。これを改善することで、利用者数が4倍強に増えた事例があったため、こちらをご紹介したい。

本ページの一番上に掲載の写真にあるキオスク端末は、京王電鉄の幡ヶ谷駅改札外に設置されている経路案内用タッチパネル機「京王TRAIN ROUTE GUIDANCE」だ。同機が設置されている幡ヶ谷駅から日本全国各駅までの経路を案内している。筐体内にはプリンターを内蔵しており、結果をプリントアウトすることもできる。このような端末がなぜ幡ヶ谷にあるかというと、この駅の近所には国際協力機構(JICA)の東京センターがあり、外国人の利用者が多い駅ためだ。ここから浅草や皇居などの観光地や空港への経路の案内を駅員に求められることが多く、彼らにわかりやすく案内するとともに、駅員の負担を軽減するために設置された。

設置当初は、下の写真のようにキオスク端末だけが設置されていた。画面を傾けた筐体の形状であり、筐体の側面にiアイコンとTRAIN ROUTE GUIDANCEと書かれたシールを貼ることで、地下通路の壁際に設置したときでも、歩行者が「タッチできる端末であること」「経路案内を行う端末であること」を理解できるようにしていた。

しばらく、これで運用した後、下の写真のように変更した。

設置場所を自動券売機の近くに移動したほか、iアイコンと「TRAIN ROUTE GUIDANCE」の文字を大きく書いたシートを端末後ろの壁面にも貼ったのだ。写真を見てもわかるとおり、これによって以前よりも端末が目立つようになった。これが同定サインとして機能することで英語での利用者数は4倍強にまで増加したのだ。タッチパネル端末は、利用者が少ないからといって、そのニーズも少ないとは限らない。必要とする人は多くてもその解決策であるタッチパネル端末を「見つけてもらえていない」こともある。幡ヶ谷の事例では、経路案内を求めていた人の75%以上の人が、経路案内端末の存在に気がついていなかったのだ。これでは、どんなに優れた端末でも機能しない。利用者から存在に気がついてもらうことが、何よりも重要だ。

ただ、そのときに一点気をつけたいことがある。このようなときに、単純に同定サインを設置するだけでは問題は解決しないことが多い。改善後の写真の左手を見てもらいたいのだが、こちらには空調や自販機などのモノが並んでいるうえに、ポスターが多く設置されているために情報量がとても多い。もし、こちらに端末を設置して同じことをやったとしても、ほとんど意味をなさないだろう。歩行者が処理できる情報量には限界がある。単純に目立つための競争をやるのではなく、何を見せるのか、何に気がついてもらうのかについて、優先順位をつけて取捨選択することも重要だ。