永久にコンテンツ制作費0円でシズル感に溢れるデジタルサイネージ

Digital Signage /

随分前の例である。写真のデータによると2012年の9月20日の撮影だ。都内を歩いていて偶然見つけた事例である。いまでもこのまま残っているかはわからないが、なかり衝撃を受けた事例だ。

店の前に神棚みたいな物が置かれていて、よく見ると中にディスプレイがあって、何かが写っている。なんだろうと思って近づくと、炉端焼きだろうか、お兄さんが何か焼き物を作っている。お腹も空いていた筆者は、しばらく、と言ってもほんの数秒足を止めてみていたら、突然画面の中の男性がカメラ目線になって「今日はいいホッケが入ってますよ!」と筆者に話しかけてくるではないか。全く予期せぬ出来事にものすごく驚いた。

以下の写真は全てブレブレであることはご容赦願いたい

なんだろうと見てしまうディスプレイ筐体。よく見ると上にカメラが付いている

そうなのだ、録画されたコンテンツだと思っていたのは、生の映像だったのである。

このお店は地下にあり、地上部分によくある看板の類が多数置いてある。その中の一つにディスプレイがあり、店内の焼き場の様子がライブで流れているのである。そして驚いたことに、よく見るとディスプレイの上にカメラが仕込んであって、地上側の様子が役場の前に置いてあるディスプレイに同じくリアルタイムで表示されているのだ。先程の男性はそれを見ながら、画面に写った人にこうして声をかけているのである。

お店は地下。地上のこうしたディスプレイでここにお店があることを伝える
店内の焼き場の様子。左手前に外の様子を映し出すディスプレイがある。店長はこれを見ながら仕事をしていて、必要に応じて声を掛ける。
店長が見ているディスプレイ。地上を行く人たちの様子がよく分かる。

あまりにも衝撃的だったので、店に入って話を聞くことにした。するとこの男性は店長だった。どうしてこういうことを始めたのか聞いたところ、このお店は前述の通り路面店ではなく地下にある。そうするとお客の側からは、予めお店の存在やお店の様子を入店前に把握しにくい。目の前の通りはとても人通りが多くても、なかなか気がついてくれない。また雨が降ってきたとか、今日はそもそも人が少ないということも店長が地下からは把握できない。

そこで外の様子を知りたいというところから考えたのがカメラ付きインターフォンのようなもの。でもこれだと片方向なので、どうせならということでテレビ電話の仕組みで地上の様子がわかる環境を焼き場の前に構築した。これなら、店長が焼き場で仕事をしながら外の様子を確認できるし、仕事しているところを外に映し出せるので、常にリアルタイムで映像コンテンツが生成されている。それも制作費は無料で、シズル感あふれるコンテンツだ。

普通ならココで、常に呼び込みのように声を出したくなるのであるがそれでは面白くはない、普通のサイネージコンテンツになってしまうからだ。

似たような例としては、中部国際空港行きのミュースカイという名鉄車両には、運転台に取り付けられたカメラの映像が全車両に配信されている例がある。子供やマニア的には嬉しいものだが、この事例のようなリアリティや意外性はちょっと足りていない。

ありそうでない、好例であると思うのだがいかがだろうか。