InterBEE 2018 Vol.001 ライブビューイングが現場に勝った[VISIONS]

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InterBEE CREATIVEのセッションで、2018年3月31日に開催されたライブビューイング[VISIONS]の報告が行われた。これは東京ガールズコレクションというファッションショーを12Kワイド画面でライブビューイングで体験する企画である。

3つのライブビューイング体験を用意

まずは専用サイトから、実施された概要を引用して紹介しておく。

A: SUPER REAL VISION:12K WIDE SCREEN
横方向は8Kを超える横12Kピクセルの映像を映し出す大型ワイドスクリーン(横12.8m、縦2.5m)を設置。複数の4Kカメラを並べてランウェイを広角に撮影、継ぎ目のないパノラマ映像にリアルタイムで合成しライブ中継することにより、TGCをあたかも会場で見ているかのような臨場感・精細感で体験することができます。今回は、パノラマ映像2アングルに加え、会場内に多数配置された4Kカメラ映像を使ったマルチアングル映像を切り替え表示することでシーンに合わせたライブ映像を実現します。

B: MULTIVISION:SYNCHRONIZED SCREENS
ライブビューイング会場正面に設置された12Kワイドスクリーンや両サイドに設置された縦型透明スクリーンに映し出される等身大のモデルをシンクロ表示させることで、会場からモデルが飛び出してきたかのような臨場感あふれるマルチビジョンをみんなで共有することができます。

C: IMMERSIVE VISION:4K3D-VR and Multi Angle
TGC会場内のモデル動線に近い場所に設置する3Dカメラからの映像を、VRゴーグルを使ってリアルタイム視聴。臨場感のある4K3D-VR映像で会場内を見ているような体験を楽しめます。また、会場の各所に配置された複数カメラからの映像から、タブレット上で自分の好きなアングルを選択し、リアルタイムで視聴することができます。

ライブビューイング会場側の配置図

 

ライブビューイング会場の模様はこちらで見ることができる。

 

フレームや体験を設計できるライブビューイング

セッションにはIMAGICA GROUPの諸石治之さん、NTTの丸山剛一さん、山口徹也さん、NTTドコモの山崎裕司さんが登壇、モデレーターは月刊イベントマーケティングの編集長の樋口陽子が担当した。

写真右から諸石さん、丸山さん、山口さん、山崎さん、樋口さん

 

現在12Kのカメラは存在していないので、4Kカメラ3台の映像を横方向に合成している。そのためにカメラ3台を並べて設置できる雲台を用意した。このままでは各カメラのつなぎ目部分が綺麗につながらないので、それをなめらかに行うためにサラウンド合成技術を用いて画像ブレンディングをしている。

4Kかめら3台をシームレスにブレンディング
映像合成のしくみ

 

マルチアングル切り替えと4K3D・VRの配信の仕組みかこちらの図のとおりだ。マルチアングルの切り替えは会場内に複数設置されたタブレットで行うことができる。またこれら3つの映像と音声を同期させるためにAdvanced MMT技術を利用している。

複数の映像音声ソースをAdvanced MMTで同期させる

 

ライブビューイング会場では、大画面とマルチアングルに、何をどうやって見たらいいのか、はじめ戸惑う人もいたようだが、徐々に自分の見たいものを能動的に楽しむようになっていったという。それもテレビ画面に対するVODではなく、自分視点でさまざまな映像を移動しながら楽しんでくれたとのこと。これと同じことは、昨年のInterBEE IGNITIONでも確認できたことだ。

現場の横浜アリーナとライブビューイングの両方を体験できた人はいないわけだが、こうした試みを重ねていくことで、「現場よりもライブビューイングの方がいい」ということが実現できるようになっていくのではないだろうか。このことはビジネス的に最も重要なことなのである。テレビはそれを大規模で実現できたから産業レベルまで拡大できた。

なおこの[VISIOBS]は、2018年のグッドデザイン賞を受賞している。

今後の可能性や抱負について登壇者からは
山崎氏:これまでとは違った新しい体験価値の提供を行っていきたい
山口氏:距離を超えて、現地とライブビューイング会場の観客同士が拍手や歓声などのコミュニケーションを共有できるといい
丸山氏:こうした仕組みをいかに簡単に実現できるようにするかという課題を解決していきたい
諸石氏:映像というものは番組の中、テレビの中、といった制約のあるフレームの中だけのものではなく、ライブビューイングのようにフレームや体験そのものが設計できることが大きな可能性である。また開演前、終演後の体験時間の拡張ということも可能性を感じた。

体験者アンケートより

また今回のInterBEE CREATIVEでは、セッション後の登壇者と参加者が、気軽に質問や話ができるような場として、MEET-UPというスペースが用意された。これは写真のように人工芝とクッションが用意されて、リラックスしたスタイルで話ができる空間だ。立って名刺交換するよりは遥かに距離感が近い。イベント・セミナーでの新しいスタイルだと思った。