働き方改革サイネージ?

Digital Signage /

ショッピングモールの運営会社の方から、働き方改革を進める必要がでてきているため、省力化を実現するうえでのデジタルサイネージの提案を持ってきてくれないか、とのご連絡をいただいた。モールは、ハロウィンやクリスマスなどのシーズンに合わせて内装を転換するが、そのときのポスターやバナーなどの張替えなどが現場スタッフの手間となっているため、これをデジタル化によって軽減したいとのことだった。

大きなモールで内装を転換しようとすると、その作業は相当量となり、これを営業時間外に行わなければならない。ただでさえ、労働人口が減って人手不足のなか、夜間作業が増えれば人が定着しない。さらには「あそこはブラックだ」と評判になれば、ますます人を集めるのは難しくなっている。システムを提案する側としては、省力化だけの提案では現場が楽になるだけで、クライアント企業にとって導入メリットが薄く、少人数での運用まで実現した「省人化」まで実現しなければ意味がないのではないかと考えていた。しかし、いまや省力化による職場環境の改善だけでも進めなければならない状況のようだ。

10年ほど前は、ショッピングモールのモニターは、目新しさや演出面への期待が大きく顧客サービスとしての位置づけで設置されていた。たとえば、ある大手流通の幹部は、館内案内のタッチパネルサイネージを「お客様にわかりやすいご案内をするためのソリューションを導入するのは、モールとして当たり前のこと。エスカレーターが高いからと階段だけのモールを作るわけにはいかないのと同じ」と導入を決断した。大型のLEDパネルも、照明演出の延長線上で導入されることもあった。快適な商業空間をどのように構築するかとの視点が強かった。ところが、数年もすると段々と風向きが変わり、店舗環境よりも広告売上に言及されることが増えていった。モールの壁面やフードコートの紙コップなどは、広告枠として販売されていたのだが、デジタルサイネージにもそのような媒体のひとつとしての期待が増えた。映像コミュニケーションを通じ、心地よく買い物をする環境を構築することについては、その効果を定量化するのは難しいため、コストパフォーマンスを強く要求されるなか、現場サイドではどうしても広告売上に目が向いてしまっていたのが、昨年ぐらいまでの傾向だった。

働き方改革の話がどの程度まで進むかはまだわからない。ただ、デジタルサイネージに限らず、人手不足に伴う労働環境の改善に関する話を聞くことが増えている。改めてサイネージに求めるものが変化する潮目がきているように感じる。