GASKETが足りない。

AI/IoT /

このWEBメディアはGASKETと命名している。今年2018年8月から開始して、3ヶ月ほどが経過したところだ。スタート時のSNSでの拡散から、徐々にアクセスが伸びてきており、最近のアクセス状況は検索エンジンからの流入がSNSやダイレクトリンクの3倍以上になってきた。

検索キーワードをGoogleコンソールで調べてみると、上位20位までは以下の通りになっている。
1 ChargeSpot
2 フォグコンピューティング
3 AI 農業
4 エッジコンピューティングとは
5 機械学習 できること
6 AI 製造業
7 AI できること
8 サイネージ 観光
9 IoT できること
10 AI オープンソース
11 A12 Bionic
12 Arduino
13 Raspberry Pi
14 fogコンピューティング
15 サイネージ トイレ
16 技術継承
17 GoAngel
18 ブロック チェーン Winny
19 デジタルサイネージ 商業施設
20 エッジコンピューティング

AIやエッジ、フォグが目立ち、デジタルサイネージが想像に反してとても少ない。これは興味深い傾向である。現在ではデジタルサイネージは語り尽くされた感が強く、AIやエッジ、フォグはまだまだ関心度が高いのだろう。最近積極的に記事化しているブロックチェーンも現在急上昇中である。

こうしたキーワードや記事の内容、記事ごとのアクセス数などを見ていくと、注目されたり話題になっていることと、はやり実際の現場やビジネスとの乖離があることが推測される。

そもそもご覧のGASKETは、次のようなメディアとして定義している。

GASKETとは隙間を埋めるシール材のことです。
このサイト「GASKET」は、IoTのテクノロジーと最終ユーザーの現場との間を埋めるWebメディアです。
IoTやAIが手軽になる中で、これを使う側にはまだその実感が少なかったり、抱えている課題をIoTで簡単に解決できることに気づいていません。一方のIoTソリューション提供側は、こうした顧客の現場の課題を正しく理解できていません。
「GASKET」はこの隙間を埋めるための情報提供やマッチングを通じて、IoTやAIでより良き社会の実現に貢献するメディアです。

具体的な事例や相談を受けている案件で、これらがどういうものなのかを列挙してみよう。

仮設トイレ
仮設トイレの大きなマーケットはコンサートや花火大会のようなイベントではなく、戸建ても含めた小規模の工事現場なのだそうだ。そしてこれの清掃や薬剤の補給タイミングをIoTで知らせるという案件である。

酒の醸造
日本酒やワインなどの醸造は、杜氏や職人の経験と勘に基づいている。各種センサーでこれをサポートできるのだが、この業界は小規模かつITに明るくない場合が多い。一方で若手の参入も増加しており、最近動き始めた領域だ。

高級旅館の露天風呂
客単価3万を超える旅館の場合には、きちんとしたサービスが当然求められる。そしてこうした高級和風旅館には、離れになっている露天風呂があることが多い。この場合にどのタイミングで清掃に行くべきなのかを把握したいというニーズは根強い。

航空機内でのCA同士のコミュニケーション
主にミールサービスがある国際線の場合だ。ドリンクや食事をサーブしているときに、特にエコノミークラスではカートが通路を塞ぐのでCA(キャビンアテンダント)の移動も簡単ではないのでギャレーにすぐに行くことも出来ない。ビーフがなくなったとか、特殊なドリンクのオーダーがあったとか、CA間でコミュニケーションをしたい場合に、なかなかいい方法がない。良くも悪くも欧米系のエアラインは大声を出して会話するが、日系はそうは行かない。現状では目線とか身振り手振りでやっているそうだ。

フードコートの席取り
これは過去に記事にしている通りだ。そしてこの記事のアクセス数は非常に多い。

インフルエンザの判定
のどの画像解析でインフルエンザ感染の判定を行うというもの。

こうした事例に共通していることは、全部言われればそうだろうなあと思うものばかりだということ。だが残念ながら、我々側からこういうニーズがあるだろうと想像できる範囲を超えている。先にこちらから営業や提案に行くことが出来ないのである。さらに問題なのは、課題を抱えている側は、こうした問題をIoTやAIで解決できること、そしてそれは劇的に安くできるのだという事実を知らない。これらはたまたま縁があって課題が認識されて、案件化できているものである。これらの例から想像するに、世の中のありとあらゆる職種、業界、企業などにおいて、このような課題を持つ人と解決できる人が出会えていないのだ。そこには顕在化していない、解決可能な事案が山程あることが容易に想像される。まさに氷山の一角なのである。

想像力を豊かにすることはもちろん重要だ。しかしそれは限界を超えている部分が多い。筆者は長距離の国際線だけで年間20フライト以上飛んでいる。そしてCAが働く姿を見ているのだが、どういうわけかこれには気が付かなかったのである。

IoT屋やAI屋と顧客との隙間を埋める「GASKET」が本当に必要だ。両者の出会いの場が必要だ。展示会に出展するだけではこうした出会いは成立しにくい。課題を持つ当事者は単に困っているだけで、どうすることも出来ないというのが現状だ。GASKETはこうしたものを繋ぎ合わせるための試み(それはWEBマガジンだけではなく)をずっと考えている。