スマートフォンの台頭で変わらざるを得ないゲームセンター

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ディスプレイだらけの施設、ゲームセンター。ここでゲームセンターの歴史を紐解くつもりはないが、アーケードゲームが登場して以降、ゲームセンターは様々な形で発展をしてきた。音楽にあわせて出現するマークをタイミング良く叩いたりするいわゆる音ゲー、迫り来るゾンビを銃で打ち倒すガンシューティング、車を運転するレーシングゲームなどなどはゲームセンターに行かない人でもなんとなく知っている事と思う。最近はドームスクリーンにプロジェクターで投影してより臨場感を出しているものや、ディスプレイを3面つなげて電車の運転手になるものなど、より工夫がされているので、ディスプレイがどのように使われているかを見に行くだけでも面白い。

スマートフォンとゲームセンターの関係

しかしゲームセンターもここ最近下火である。こちらのSPEEDA総研の記事に歴史や数字などは詳しく書いてあるが、やはりスマートフォンの台頭は大きい。それまで「ゲームセンターでしか出来なかったこと」が「スマートフォンでもできるようになった」ということが影響しているのは一目瞭然で、電車内を軽く見渡してみてもスマートフォンでゲームをしている人はとても多い。若い層だけでなくスーツの中年男性も猫も杓子もスマートフォンでゲームをしており、ファミリーコンピューターやニンテンドーDSのような据え置き機/携帯ゲーム機が出てきたときよりも更にゲームが身近に、簡単に消費されていく時代になったのだと感じる。

スマートフォンから現場に引っ張る手法

となれば、スマートフォンに取られたお客はスマートフォンで呼び戻すのが手っ取り早いのではないか。そこには間違いなく潜在顧客がいるのだからだ。
スマートフォン用アプリゲームの観点からいくと、元々メダルゲームが人気の競馬ゲーム「StarHorse3」の事例が面白い。スマートフォン用にもアプリゲームを展開しており、アプリで育てた馬を実際にゲームセンターのアーケードで走らせることができる、コンテンツ連動型のゲームである。スキマ時間で育成した馬を、スマートフォンの小さな画面でなくゲームセンターの大画面と臨場感溢れる実況やサウンド付きで走らせられるのはなかなか面白い。というのも、調べてみると、この手の「スマートフォンゲームとアーケードゲームのデータを連動させる」というコンテンツが、このゲーム以外にないようなのだ。双方でコンテンツを展開しているにも関わらず両者は完璧に分断されており、ユーザーは場所を選ばざるを得ない。競馬ゲームのように「ずっと育ててきた愛馬を今日はゲームセンターでデビューさせてみよう」というインタラクティブ性がない、つまりゲームセンターに行くきっかけを作れないのであれば、どうしても手軽なスマートフォンに軍配が上がってしまうのは自明の理だ。

電子マネーの導入で客単価のアップ

スマートフォンゲームでは度々高額の「課金」が話題になる。スマートフォン決済やクレジットカード決済という目に見えないお金はついつい使ってしまう…という心理が働くが、最近はゲームセンターにもクレジット決済や電子マネーが導入されはじめた。直営店を中心に、SEGAでは全国190店舗中70店舗、タイトーステーションも157店舗中73店舗と、電子マネーの導入が進んでいる。交通系ICカードをはじめ、nanacoやEdy、ポストペイ型のiDなど各種電子マネーが使え、更にどの電子マネーにもチャージができる端末も用意し、客単価の向上を目指す。ユーザー側からすると、今まで一回100円の小銭を払っていたのが電子マネーに代わっただけであるが、小銭がなくなったら終わりにしよう…などのブレーキが無くなるため、先述のスマートフォンゲーム同様見えないお金をついつい使ってしまう、という状況が発生する。ゲームセンター側も1円単位で料金設定が可能になるため、旬を過ぎたゲームは値下げをするなどの設定も可能になり、両替の関係上難しかった100円以下のゲームを置くことが出来るようになった。

ただ、電子マネーが使えるようになったことは、今までゲームセンターを訪れたことのない層を呼び込むには弱く、リピーター層に変化が生まれるだけである。新規層の取り込みには、潜在層であるスマートフォンアプリゲームの課金層を呼び込む必要があると考えるが、うまくいっていないのが現状だ。

カジノ法案の制定などでその進退が注目されるアミューズメント業界。VR施設や機器の設置などで「そこでしか体験出来ない」という方向にシフトしてきてもいるが、わざわざゲームセンターに来させるためにスマートフォンはどうやっても無視できず、これからの進展に注目したい。

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