新サービス「LINEテイクアウト」はデジタルサイネージが本来やるべきことを実現してしまう

Digital Signage /

LINEの動きが非常にアグレッシブである。公共料金や税金の支払いもLINE決済できるようになってきた。神奈川県では8月から水道料金をLINEペイで支払えるようになった。今後、自動車税など税金の分野にも広げる。福岡市では粗大ゴミ収集をLINE経由で申し込めるようにした。ヤマト運輸は宅配便の配送予定日時をLINEで知らせるメッセージの配信を開始した。キリンビバレッジバリューベンダーの自販機では、LINEを使ってポイントを貯められる「Tappiness(タピネス)」というサービスを行っており、15ポイントで1本無料になる特典をゲットできる。すでに2万台超の自販機で利用できる。

こうした日常生活の様々なシーンでLINEが利用できるようになってきたのは非常に便利である。もちろん大部分はすでにWEBでも実現されていることばかりではある。しかしユーザーの違いや、その手軽さという点ではより裾野を広げてくれるだろう。

デジタルサイネージとの関連で言えば、LINEは強力なライバルであり、同時に重要なパートナーでもある。LINEは10月3日、フードテイクアウトの新サービス「LINEテイクアウト」を2019年春に開始すると発表した。LINEテイクアウトは、ユーザーの位置情報から、近くのテイクアウト可能な店の検索と注文ができ、用意ができるとLINEで伝えてくれるサービスである。決済にはLINEペイがもちろん利用可能だ。先行サービスにはデリバリーサービスである「LINEデリマ」があり、こちらは宅配サービス向けである。

注文ができるだけでは「LINEならでは」とは言えないが、一番のポイントは急な予約キャンセルや、余った商品が出てしまった場合に、LINEを使ってタイムセールやディスカウント情報を伝えることができる点だ。LINEのリリースにはちゃんとこう記載されている。

「LINEテイクアウト」に登録しているレストランやお惣菜店舗は、想定外のできごとや急な予約のキャンセルなどによって余剰商品が発生した場合でも、「LINEテイクアウト」のタイムライン上でタイムリーにディスカウント情報を告知する事ができ、食品ロスの軽減へも繋げる事ができます。

 

新たにアプリをインストールさせる必要がない7500万アカウントによる潜在的な告知力は強力である。さらにこうした告知は位置情報に基づいて行うことができるので、リアルな場所への誘導としては無駄打ちがなく、効率的である。こうした直前系のサービスは、欧米では以前から行われているミュージカルやコンサートのディスカウントチケットがある。などにも大きなニーズがあるはずである。

本来であれば、デジタルサイネージがもっと街なかや駅などの人が多いところに設置されて、こうした情報をその場にいる人に対して、本人の意志にかかわらず知らせることができるのであるが、実際にはほとんどそういった導入事例は進んでいない。VACANが進めている飲食店やトイレの満空情報を提供しているデジタルサイネージが唯一と言ってもいいくらいだ。同社の導入事例は着実に拡大を続けている。

その場にいる人に対して、本人の意思とは無関係に情報を伝えれらることはデジタルサイネージのメリットになり得るわけだが、LINEの通知機能はそれに匹敵する伝達力がある場面も多いだろう。ただしLINEの場合は、そのお店とLINEで予めつながっている、つまり友達になっておく必要がある。新たにアプリをインストールしてもらうことに比べたら相当敷居は低いが、これもそんなに容易なことではない。

やはりLINEテイクアウトで提供される情報は、デジタルサイネージにも表示されるべきではないかと考える。これによって一層強力なサービスになるはずである。