試作から量産への移行時に考慮すること

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ある案件で超音波センサーの値をサーバーにアップロードするためのメインボード、センサーの設計・製造を行った。センサーは、お客様のほうである程度の試作までは行い、これを1000個作ってください!が依頼事項。今回は、量産を行う場合に最低限考慮することを紹介する。

依頼のあったセンサーの試作である。
・タカチのケースを組み合わせ外装としている
・センサーは基板キットをAmazonで購入
・シリコン充填剤を補充し簡易的な防水
・IRフィルタをかぶせてセンサー部が見えないようにしたい
ざっと要件はこんな感じ。

何十個だけ1度きりの製造であれば上記のまま製造することもできるが、1000個となると
・部品の入手しやすさ、リードタイム
・追加製造が必要となったときの継続性
・作業効率
この3点は最低考慮しなければならなくなる。

量産が開始されるまでのステップ

量産を開始するまでに下記のようなステップを踏んだ。

  1. お客様試作センサーキットの部品入手性確認
  2. 上記部品を使っての実際の組み立て
  3. 入手性や継続性を考慮した調達計画
  4. 組み立ての作業効率を考慮した製造計画
  5. 量産サンプル製造
  6. フィールドテスト
  7. テスト結果を反映した基板改修
  8. フィールドテスト
  9. 量産開始

数個分の部品を購入し製造する分にはあまり時間がかからず比較的短時間でテストまで完了するが、量産するとなると工程はかなり増えてしまうものである。

入手性と調達計画

Amazonから同じ基板キットを何度か購入してみた。
よくある話だが、中国からの発送で2週間で到着する場合もあれば、1ヶ月以上到着まで時間がかかることもあり、他に同様のものがないか探してみたが入手性はNG。センサー基板を独自に設計し製造することにした。独自製造することにより継続性の問題もクリアとなる

作業効率

センサー基板とケーブルの接続(ハンダ付け)やケース組み立て・キッティングなどは想像が難しいため忘れ去られがちだが、この作業工数が提供価格を大きく左右することになる。
お客様試作を実際にやってみると、
・ケースの組みあわせと接着・ケーブル通しの穴あけ(バリの除去)に時間がかかる
・補填材で底上げし基板を載せるようになっていたため、補填材が硬化するまで次の作業に進めない
この2つで工数が非常に多くかかってしまうため、これらを解決するケースを真空成形で独自に製造することにした。

ポイントはケース組み立てが不要になることケーブル通しの穴あけを不要とすること、補填材を最後に補充し次の工程に渡すことができることである。これにより大幅に工数を削減した。

特に製造作業効率を考慮した上で量産計画をたて、お客様の要望を実現していくことが難しく時間のかかることである。