デジタルサイネージとSNS連携は「ひと手間」が大事

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デジタルサイネージとSNSの関係を考えたとき、利用の側面は大きく2つあると考える。デジタルサイネージにSNSを映すか、デジタルサイネージを利用してSNSに誘導するかの2つだ。

まず、デジタルサイネージにSNS投稿を利用する方法。デジタルサイネージのコンテンツを考える際に、特に注意しなくてはいけない点である「誰が作るか」と「更新頻度」を手っ取り早く解決するのに、TwitterやInstagramの投稿をサイネージに表示するという考え方は、一見理にかなっているように見える。一般消費者の呟きや投稿をどのように表示するかさえデザインしてしまえば、あとは勝手に更新され、一般消費者が広告塔になってくれるので一石二鳥だ。だが、注意すべき事は沢山ある。

人は思ったとおりに動かない

例えば飲食店が、来店者のTwitterやInstagramのハッシュタグを拾ってデジタルサイネージで表示したいと思ったとしよう。ある一定数の人はハッシュタグを付けて投稿するかもしれないが、どのような投稿がされるのか、それがはたして本当にお店に対する褒め言葉なのかはコントロール不可能だ。全く関係ない投稿かもしれないし、イマイチだったという投稿かもしれない。

そういうこともあってか、最近では野良Twitterや野良Instagramの投稿をデジタルサイネージに投稿するというのは見なくなったように思う。野良の管理が煩雑であれば自分たちで…という事で、お店側の公式Twitterのみを表示する、という例を、東京駅の地下やショッピングモール、スポーツジムなどで見かける。ただ、botのような同じ投稿だけが虚しく表示される…というのはもの悲しいものがある。毎回同じような投稿だと書いている方も読んでいるほうも飽きてしまうため、いつどんな投稿をするかなどの計画性が必要になってくるため、ひと手間かけてやる必要がある。

また、先頃Twitter社より、タイムラインの情報をリアルタイムで取得し表示するUserStreamのAPIの停止が発表されたりなど、この先もずっと今までと同じようにSNS投稿の連携ができるかどうかはかなり懐疑的だ。

参加型や特別感などのエサ

次に「デジタルサイネージを利用してSNSに誘導する」という方法を見てみよう。サイネージに表示されたコンテンツをSNSに投稿したり、公式アカウントのフォロワーなどに持っていく方法だ。

デジタルサイネージアワードでも賞を取った、アニメ「PSYCHO-PASS」のコンテンツ。サイネージの前に立つと自分の姿が映され、自分のステータスが表示される。それを写真に撮ってSNSに投稿、バズって話題になる…というのはSNSを使った好例だろう。公式アカウントのフォロワーに持っていくキャンペーンだと、キリンビバレッジが行った、公式Twitterアカウントのフォローで参加できるキャンペーンを駅のコンビニのNewDaysビジョンに告知、広告を見てすぐ参加出来るため参加者が非常に多かった事例などがある。

どちらの例もかなり大規模な話にはなってしまうが、共通しているのはわざわざ呟きたくなるかどうか、という点である。面白くて拡散したいから、すぐに当落がわかって参加しやすいからなど、一般ユーザーにどれだけ一手間かけられるかが勝負になってくる。そうすると冒頭で書いた、サイネージにTwitter投稿を連携するやり方も、ある種の特別感やお得感を出し、ユーザー側に一手間かけさせる工夫をすればうまくいく…かもしれない。

正方形のデジタルサイネージを扱っている方が、最近は結婚式での使用が増えていると言っていた。参列者の写真や参列者自身が式の写真をハッシュタグ付きでInstagramに投稿、幹事が投稿を承認することでデジタルサイネージに表示され、会場の雰囲気作りに一役買っているそうだ。ただこれも管理者が投稿をチェックし変な写真が入らないようにする…などのひと手間がかかってこそのものだろう。

少しの工夫で手軽にコンテンツにも活用できるSNS。どういうひと手間が有効か、考えてみてはいかがだろうか。