Ars Electronica Vol.04 技術と社会の関係性を政治でも宗教でもなくアートで示す場所のようだ

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アーチスト藤堂高行氏のSEER: Simulative Emotional Expression Robotである。これは単に表情がより人間に近い、というところだけではない。彼のWEBサイトの英語による説明をグーグル翻訳したものを以下に引用する。

“SEER”は凝視と人間の表情に関する深い研究の結果として開発されたコンパクトなヒューマノイドロボットです。
ロボットは、首の動きに惑わされることなく、特定の点に視線方向を合わせることができます。結果として、ロボットは周囲の人や環境に従うことに専念するように見えます。目を追跡しながら、カメラのセンサーを使用してインタラクティブな凝視があります。
また、柔らかい弾性ワイヤーで眉毛の曲線を描くことで、感情に訴えるようにロボットの表情を豊かにすることができました。顔の動きの追跡とミラーリング機能により、接続の印象を与えます。

私の研究開発の目的は、「ロボット(またはコンピュータ)が人間のような心や感情を得るか」という哲学的テーマに答えるのではなく、人間が作り出すような意識的感情を描くことです。私は、顔の感知と表現との間に適切な相互作用システムを構築することによって、人間のようなコミュニケーションを表現することが可能であると考えます。人間とのインタラクションから感情表現の機能や使い方を学ぶことができるロボットを理解し、それを状況や文脈に応じて適切に把握すれば、本当の心と感情を持つ人物とは区別できますか?
これを実現するための第一歩として、私は二つの条件が必要であると考えました。つまり、他の顔の外観を検出する目と、目に魅力を感じさせる顔です。

Ars Electronicaは相当ハードコアな(メディア)アートのイベントであることが、今更ながらよくわかった。それはCESのように商業的ではなく、かと言ってなんだかよくわからない前衛的でもなく、どの作品も、どの展示も、驚くほど論理的である。

うまく説明できないが、デジタルテクノロジーがもたらす様々な利便性と、それが引き起こす表裏一体の危険性というのだろうか、そういったものと社会の関わりをどう構築していくのか、理解していくのか。といった伏線が会場全体に張られている感じとでも言おうか。その社会と技術の関わりは、社会を構成する人間そのもの、さらに人体まにで及んでいく。ここではあえて紹介しないが、ハードコアなアート展示が多数ある。下の写真はそのほんの一端である。

また会場内ではAIとか言う単語はほとんど目にしない。要はそこはテクノロジーではなくて哲学の話になっているのだ。だからAIを人間そのものと区別して考えないのである。

はじめての参加なので、もっとデジタル的な、夜も街中が盛り上がるようなイベントかと想像していたが、まるでそうではない。規模は想像していた10分の1くらいしか人はいないし、街中お祭り騒ぎなどというものはかけらもない。言い方によってはひたすら地味である。しかし決して重苦しいわけでもなく、みんな真剣に考えてるなあということはひしひし伝わってくる。目先の仕事のネタではなく、脳に酸素を注入するため、隔年あたりで参加するのが適切と言った感じだろうか。そんな刺激を受けて、今回は「リアルとバーチャル」というテーマに、明確な答えを見出すことができたので、次回は改めてここで紹介してみたい。