Ars Electronica Vol.02 MIT Sandscape, NHK Digital Lab

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Ars Electronicaは、Ars Electronica Festivalという年に5日間のイベント期間と、Ars Electronica Centerという常設の展示館がある。Ars Electronica Centerにはタンジブルユーザーインターフェイスの第一人者である、MITの石井 裕教授らによるSandscape(2002年)が常設展示されている。タンジブルとは、サイバースペースなどで形のない情報を直接触れることができるという概念である。その後のさまざまなマン・マシンユーザーインターフェイに多大なる影響を及ぼした先駆的な作品である。これの現物を体験できたことはちょっとした感動である。

 

このように砂を手で自由に動かすと、それに反応して画像がプロジェクションされる、あるいはプロジェクションした内容を手で掴むことができるという非常にコンセプチュアルな作品であり、その後のインスタレーションものの原点と言ってもよいだろう。

 

インタラクティブなジオラマ

こちらはインタラクティブなジオラマ(3次元モックアップ)である。ジオラマには地球観測、大気質、地面のカバーと関連したさまざまなビデオが投影される。そしてこの情報は、隣りにある操作台に置かれた切り替え用のオブジェクトで操作することができる。これらはいわば切り替えスイッチや、PCやスマートフォンアプリのアイコンの役割を果たしており、このオブジェクトにはQRコードがついていて、これを読み込ませて切り替えを行う。

 

 

NHKデジタルラボと8K

NHKのデジタルラボのデモは初公開となるもので、4台のスマートフォンに表示する画面を選択し、これらを完全同期させるというものだ。まずはこちらの動画をご覧頂きたい。

これは展示会などで時々見かける、スマートフォンでのマルチ画面表示と一見すると同じに見えるのだが、目指していることがまるで違う。ASSEMBLEはその時その場所での共通の視聴体験を各自のスマートフォンやタブレットで実現させるという試みであって、画像同期方法やマルチ画面表示が目的ではない。同じ場所でみんながワイワイ映像を楽しむということを、スマートフォンでできないかという課題設定なのである。これに対する答えはまだよくわからないが、バラバラになりかかっている見る人同士のをつなぎ合わせようという挑戦なのだ。

NHKとしてはもちろん8Kも忘れる訳にはいかない。「DEEP SPACE 8K」と命名されたスペースは、NHKのブースではないが、様々な種類の8K作品が、4台の4Kプロジェクターがによるプレンディングで表示されていた。この空間では様々なNHK以外の8Kコンテンツの上映や、アーチスト自身によるプレゼンテーションやディスカッションが行われ、そのうちの一つがこれ、どーもくんワールドである。

DEEP SPACE 8K全体としてはだいぶアートやエンターテインメントの振り切った内容なのだが、高画質高音質以外のエンターテインメントにおけるこれらが何をもたらすのか、というような本質的な議論は見かけなかった。