カメラ画像のIoT利活用に関するガイドラインとピクトグラム作成の提案

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コンビニエンスストア、 銀行、駅、エレベータそしてドライブレコーダなど、あらゆるところで不特定多数のヒトを被写体としたカメラが24時間365日、せっせと稼働している。その用途は防犯や防災用を起源とし、調査、記録へと、さらにはIoTとAIの成長により、強力なマーケティングツールへと広がりをみせている。

店舗に設置したカメラで撮影した画像情報から得られる、来店客の基本属性(性別、年齢層など)に加え、表情、動作を解析、従前から存在する天候、周辺イベント、販売実績などといった「古典的な」データと掛け合わせ、AI技術を駆使し、詳細に需要や購買動向を詳細に予測。その結果により、POPや立て看板の差替え、仕入発注量の調整や業務シフトのコントロールをタイムリーに実現し、売切れを無くす、提供時間を短縮、過剰仕入排除そして総労働時間短縮などに成果を上げている飲食店が現れている。

こういった画像情報を活用する流れは、飲食店や小売店舗に限らず、アミューズメント施設、交通機関そして公共施設など、不特定多数のヒトが集まるあらゆる場所・設備のサービス向上、収益アップのために導入が進むに違いない。社会経済全体の発展のため、大いに浸透してもらいたいと思う。

さて、ここでちょっと不安になるのは、どこに行っても常に「撮影されている」という漠然とした不安だ。防犯・防災目的はともかくとしても、マーケティングのため、言ってみれば「儲けのため」に撮影されることに対しては、抵抗感はぬぐえない。

従って、撮影する側としては、法令やモラルを守ることは当然として、撮影する目的やデータの保護や活用方法などを「適時適切に」撮影される側に伝え、一定の「納得感」を得なけれればならない。つまりは「こういう目的、方法であなたを撮影させてもらいますよ。個人は識別しませんし、使ったら消しますから安心してね。」「そうですかぁ、まぁ役にたつなら。でも使い終わったらちゃんと消してね。そこんとこ頼みますよ。」というゆるい契約が暗に交わされるというわけだ。

そういった撮影者の画像データの取得や取扱に関する指針が「カメラ画像利活用ガイドブック(ver2.0)」が2018年3月、IoT推進コンソーシアム、総務省並びに経済産業省より、公表されているが、その中で、撮影される側が提供する「事前告知」内容が例示されている。告知方法はホームページ掲載や新聞等メディアを通じたもののほか、「現場」での表示をすることが推奨されている。

 

「カメラ画像利活用ガイドブック(ver2.0)」(2018年3月)より抜粋

ところでこの張り紙を店先に張り付けて「はい、お伝えしましたからね。店に入る方は了解ってことね。」とするのは、あまりに一方的である。しかも、外国人対応などにも配慮すべきとされているため、入り口に何枚もベタベタと張り紙するというのだろうか。外国人のみならず、年少者や高齢者にもわかりやすくるため、業界ごとに一定の告知パターンを意味するピクトグラムやアイコンを制定することを望みたい。試しにピクトグラムのイメージ要素を詰め込んだサンプルを作成してみた。デザイン的なことではなく要素としてのサンプルである。できれば防犯専用とマーケティング利用のものを2種類あれば更によいだろう。

カメラ画像利用のピクトグラムの例(オリジナルで仮作成)

ただ、撮影される側の納得感が事前に得られていようがいまいが、いずれにしても、撮影された側のメリットは、レジ待ちが短くなった、安くなった、新鮮になった、欠品がなくなった、ミスが減った、わかりやすくなった、楽しくなったなどという「具体的なサービスの向上」でしかない。撮影されたことの「納得」はその「結果」で初めて得られるものだ。従って、「労力が減った、在庫が減った、作業効率が上がった」という「内部」のメリットにとどまらず、情報の提供者に具体的なメリットを還元することは、撮影する側の使命と捉えたい。