IoT✕サイネージで「じぶんごと」感を作る

Digital Signage/IoT /

店頭販促やメディアの宣伝活動において、デジタルサイネージは多くの場面で使われている。
その多くは、動画をループ再生し、音でお客様の視線を集めたり、CMの想起で購買意欲を思い出させることで、認知度拡大や購買商品のスイッチングを行うものである。

さらに近年、ただ動画を再生するだけではなく、センサーと連携したデジタルサイネージも増えてきた。「センシングサイネージ」や「IoT✕サイネージ」と呼ばれるジャンルである。
事例をいくつか紹介しよう。

WEB情報ではなくその場の値を取得する

数年前にP&G社は海の家で紫外線ケアの商品の販促イベントを行った。その際に、海の家の上にUV指数を測るセンサーを設置し、紫外線の強さの分だけ商品の値段を下げるという施策を行い、センサーの値のグラフ及び現在の商品の値段をデジタルサイネージで可視化した。

紫外線情報を始め、気温、ビール指数はWEBサイトの情報からも取得できる。しかし、これをあえてその場のセンサーでとることで「今まさにあなたが浴びている紫外線の強さはこれだ」と、実感をもった値を伝えることが出来る。関東エリアのUV指数予報を表示されることと、今この場でのUV指数を表示することとの違いはなにか。それは、サイネージに表示された情報は見る人にとってより「じぶんごと」ととなることである。その実感が商品購入につながるのではないかと思う。

「顔認証」で見ている人を主役にする

販促イベントではよく顔認識を使ったデジタルサイネージが行われる。新宿駅で行われた「劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス」のシビュラシステムゾーン、ディズニーの「ディズニーヴィランズの鏡」、渋谷駅で行われたドラマ「デスノート」のプロファイリングなどである。
これらはいずれもサイネージの前に立つ人の顔を取得し、それぞれ犯罪係数、ヴィラン(悪役)度、性格診断が表示された。期間限定のこれらの広告はどれも体験したい人で行列ができた。

これらの面白さは、もちろん作品や俳優の人気ももちろんだが、サイネージの中で見えない何かを可視化し、自分が主役になれることである。また人に応じてサイネージの表示が変わるので人と比べることができ、表示内容が面白いとSNSの拡散にもつながった。

キーワードは「じぶんごと」

以上を踏まえ、センサーは、サイネージに見ている人の「じぶんごと」を与えるツールの1つだと考えることが出来る。

UVセンサーにかぎらず、温度でも明るさでも声の大きさでも人の動きでも「自分が今いるここはこういう状態なんだ」と「じぶんごと」だから人はそのサイネージを見たくなる。
「自分がここで今こういう動きをしているから、このサイネージもこう動くんだ」と、サイネージに変化を与えているのが「自分」だからそのサイネージを見たくなる。

エンジニアとして最近作りたいIoT✕サイネージは、ショッピングモールや駅の外に感雨センサーをつけて、雨が降ってきたらモール内で雨に合わせたコンテンツを流すサイネージ。
今このショッピングモールの外で雨が降っています。という情報が出せたら、天気予報でこの3時間後にこの地域の降水確率50%ですというよりも、「じぶんごと」が増して有用な情報提供ができるのではないか。それに応じて、傘の購入や、雨が上がるまでもう少しゆっくりお茶していくことを促す事ができる。
これこそ看板やポスターとちがってデジタルだからこそ出来ることである。