災害時の外国人への情報伝達は十分か?

Digital Signage /

大阪北部地震や西日本を中心にした豪雨災害など、今年も日本列島は大きな被害を受けている。今回の豪雨の際に逃げ遅れた方々がソーシャルメディアで自ら情報発信したおかげで、どこが被災地がすぐにわかるようになった。避難場所の体育館や公民館の実態も明らかになり、民間からの支援や寄付も以前よりスピーディかつ的確に行われようになった。

しかし、一方で解決すべき課題は多々ある。災害時の支援は日本人だけに行えばよいわけではない。海外からの旅行者・出張者、移住者だけでなく、技能実習生などの外国人労働者がどんどん増えている。日本政府観光局の来日観光客調査によると昨年2017年には、中国735万人、韓国714万人、台湾456万人、香港223万人が訪れている。先日地震のあった大阪などは、関空へのLCCの発着便が増加したために、この1~2年急激に韓国や台湾の個人旅行客が増加しているという。日本語でのコミュニケーションが難しい旅行者たちが、様々なエリアを旅する可能性が高く、災害時のコミュニケーションが重要なテーマになっている。

日本は悲しいかな災害大国で、いつ地震や台風に巻き込まれるかがわからない。いきなり自分の知らない場所を旅しているときに災害に遭遇すれば、恐怖感は倍増する。日本人でもスマホのバッテリーがなくなれば、パニック状態になるはずだ。日本語を理解できない外国人であれば、なおさら不安になるはずだ。

実際、東日本大震災が起こった時には多くの外国人が右往左往した。フィリピンやタイから東北に嫁いできた人たちが、一人ぼっちで取り残され、日本語の掲示物が読めず、避難所の会話にもついていけず、パニックに陥ったとフォトジャーナリストの安田菜津紀氏がブログで紹介していた。

今後ますます日本を訪れる外国人が増える中で、英語や中国語だけでなく、多言語での情報発信が自治体や交通機関には求められる。実際、大阪府北部地震が発生した6月18日にサーベイリサーチセンターが、近畿圏にいた訪日外国人客約150人に行ったアンケート調査によると、23.7%が「言葉が分からずどこに行けばいいか分からなかった」と回答した。今回の地震では駅や空港で立ち往生している外国人がいたと読売新聞も報道していたが、外国人への対応は急務である。観光立国を目指す日本は災害が多いのだから、多言語での情報発信を積極的に行わないと増え続ける外国人に迷惑をかけてしまう。彼らの安心・安全を確保しなければ、観光立国と言うべきではないと筆者は考えている。

ラグビーW杯やオリンピックの開催が近づく中、外国人旅行者が増加することは間違いない。東京や大阪だけでなく多くの地方都市や自然豊かな村々に外国人が訪れるはずだ。その際、日本人だけでなく、彼らの命を救うことを我々は考えなければならない。災害状況、避難場所・避難ルートを多言語で届けることが求められている。AIやIoTの技術、普及しているデジタルサイネージを活用すれば、外国人向けに災害情報を届けられるのでは?と妄想を膨らませている。

photo credit: live73 陸前高田0819 via photopin (license)

Tags: