【PR】Raspberry Pi(オープンソースハードウエア)の産業利用の現状

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IoTの世界ではオープンソースハードが主流に

Arduinoはすでに200万台以上、Raspberry Piは1100万台以上の出荷実績がある。IoTの世界ではOSH(オープンソースハードウェア)がほぼ主流になってきている。オープンになっているハードウェアを積極的に使い素早くプロトタイプを製作し、場合によっては製品化まで突入しましょうという流れになってきている。製品を試作、開発し、製品化していく方法としては3つ考えられる。

1)回路を最初から設計して試作から製品化まで行う方法

この方法では、開発に高い技術力が必要であり、内部で製作するとしても、外部に委託するとしても、開発費や期間が大きくなり、例えば3000台以下のそれほど多くはない台数での開発では採算が合わなくなる。

2)産業用に販売されているハードを使用して行う方法

この方法の場合、カスタマイズをするために販売しているメーカーとの秘密保持契約を結ぶ必要があり、実際に希望する仕様で動くかなどの事前情報が少ないため、開発に時間や費用がかかる。そのため、例えば1000台を切るような少量での開発では採算が合わなくなる。

3)オープンソースハードウェアを使う方法
オープンソースハードウェアであれば、最初から回路を設計する手間はかからず、すでに多くの情報があるので、即座にプロトタイプの開発に着手でき、時間とコストが大幅に削減できる。

導入におけるネガティブ要素は1つだけ「誰が責任を取るのか?」

オープンソースハードウェアとオープンソースソフトウェアの導入における、ポジティブ要素とネガティブ要素について考えてみる。まず、オープンソースハードウェアも、オープンソースソフトウェアも、もっともポジティブなところは、情報量が圧倒的に多い点である。とくにハードウェアの場合、情報がオープンであることは非常に重要だ。産業用ハードウェアだと、詳細な情報を取得するためにメーカーと秘密保持契約を結び、開発環境をインストールしてデバイスドライバを探し……と、動かすのに1か月ぐらい簡単にかかってしまう。さらにそのうえで開発しようとすると、1〜2か月は簡単に過ぎてしまう。一方のオープンソースハードウェアは、世界中のユーザーによりさまざまな使い方がされており、いろいろなところに情報がある。デバイスドライバもすでに多く開発されており、情報がオープンになっているために、力のあるプログラマーなら書き換えることもできる。このように、オープンソースハードウェアを採用することで、プロトタイピングのスピードがずっと早くなるのである。

それに対して、ネガティブな要素は「誰が責任を取るのか?」。この一点だけだ。上司が「誰が責任取るの?」と聞いてくる、実験段階にも進められない。これが日本のIoTの現状なのだ。これは20年前のオープンソースソフトウェアを取り巻いていた状況によく似ている。90年代の中頃は、オフィスや家庭でコンピュータが普及し、インターネットの利用者も段々と増えてきた時代だった。1991年にリリースされたLinuxは、当初は一人の学生が中心となって開発されたものだ。一部の技術者がその能力を高く評価していても、商用利用しようとすると「誰が作ったかもわからないものを使って、誰が責任を取るのか」と上層部から反対意見が出されて導入が見送られることが数多くあった。それが、今ではオープンソースソフトウェアとして、世界中のサーバーの大半がLinuxベースで稼働している。ハードウェアについても、いずれはほとんどがオープンソースハードウェアになっているはずである。

とはいえ、『誰が責任を取るのか』というのは確かに真っ当な質問ではある。「バグが出ました」とのレベルなら「すぐに直します」と応えられるが、ハードウェアはときどき暴走するなど、素人でもわかるような不具合を起こすため、ネームバリューがあるメーカーが開発し、産業用途で実績のある産業用ハードを採用しようとするのは当然のことではある。

ビズライト・テクノロジーでも、自社デジタルサイネージのプレーヤーとしてRaspberry Piを使ってみたが、そのままで使い始めた当初はさまざまな問題が起きた。ひとつは電源の正しいシャットダウンの機構がないため、電源ケーブルを抜くとOSが正しくシャットダウンされずに電源が落ち、SDカードのストレージがクラッシュしてしまった。ここが産業用途で使うときの一番の問題点で、そのままでは使えない。ArduinoやRaspberry Piは、教育用途に開発されたものであるため、そのままでは産業用途に耐えられる機能を備えていなかったのである。

産業用に耐える性能と信頼性を追加

そのためビズライト・テクノロジーでは、産業用途に耐えうる機能を追加し、各種の試験を行うことで安定性と信頼性を高めたArduino互換のIoT向けボード「BiZduino」と、Raspberry Pi搭載IoTゲートウェイ「BHシリーズ」を開発製造して提供している。Raspberry PiやArduinoは、ケースがなく基板がむき出しのために熱や電気に対する堅牢性は全くない。またRTCを備えていないため、動作ログの取得や、タイマー動作を内部的には行えない。バックアップも含めて電源はなく、突然の電源消失によるシステムダウンの危険が常にある。産業用途に使用するには、あまりにも脆弱で機能不足といえる。オフィスでは問題なく稼働するが、さまざまな現場に設置すると「正しくシャットダウンを行わずにいきなり電源ケーブルを抜かれてSDカードが次々クラッシュする」「周囲にある電磁弁などの機材のノイズで暴走する」などの問題を抱えることになる。

BHシリーズは、これらの問題に対して、さまざまな処置を行って対策を打ってある。1つは、ノイズや静電気対策で、金属筐体によるケーシングとグランド処理によって、サージ、静電気耐性をフィールド機器並みに強化しており、GPIOポートのノイズは数十mVレベルに低減している。また、電源周りも強化しており、裸のRaspberry PiがUSB給電であるところを、独自電源回路を使ってピンヘッダ経由とすることで安定化したうえ、大容量コンデンサによる電源断対策でOSが安全にシャットダウンされる機構を搭載している。さらに、ボタン電池駆動のRTCを搭載することでオフラインでのリアルタイム管理を可能にしている。

BiZduinoでは、Wi-Fiモジュールとして技適認証取得済みのESP-WROOM-02を搭載し、802.11 b/g/n(2.4GHz)の無線LANに対応している。TCP/IPのプロトコルを意識することなく、ATコマンドを使って制御ができる。電源部は5V端子から電源供給ができ、Wi-FiモジュールESP-WROOM-02への給電には専用回路が使われ、安定した電源供給が確保。また、バックアップ電池付きRTCを搭載し、I2Cで制御可能。Arduino互換のため、Arduino IDEからプログラムの書き込みが可能になっている。さらに、BHシリーズもBiZduinoも、耐熱、耐電、耐湿などの環境試験を繰り返し実施して問題がないことを確認済である。これらにより、Raspberry Pi、Arduinoだけでは足りなかった産業用に耐える拡張性、堅牢性、安定性、信頼性を確保している。

IoTの世界は、日進月歩で物事が進んでいるうえにその影響は革命的である。20年前にLinuxをおもちゃと蔑んでいた人たちと同じことをしていては、開発が遅れてビジネスの致命傷となりかねず、日本的にも産業界的にも不幸なことである。オープンソースハードウェアを活用して、スピード感のある開発を実現させてはどうだろうか。

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