急成長!株主を集めるクラウドファンディングが今、熱い

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クラウドファンディングというと、インターネットでプロジェクトにお金が集まってくると、勝手な想像をしている人も少なくない。しかし、これは想像というよりも妄想。もしあっという間にお金が集まってきてしまったら、それはむしろ危険。群がってくるお金こそ警戒しなければならない。

5つのタイプのあるクラウドファンディング。共通のキーワードは「共感」と「参加」である。筆者が代表を務めるDANベンチャーキャピタルでは、株式型クラウドファンディングのブラットフォーム GoAngel(ゴ―エンジェル)を運営している。2015年5月に施行された改正金融商品取引法で制度化された株式投資型クラウドファンディング。「金銭的リターン」よりむしろ、「事業への共感又は支援を主な旨とすべき」ことが、日本証券業協会の規則に示されている。

そこで方針としているのは「拡大縁故募集」。会社の顧客や取引先、経営者の友人知人などに出資を呼びかける。米国ではFamily & Friends Financing(FFF)と呼ばれ、2013年のデータでは、年間600億ドル(約6兆6千万円)の市場規模。全米のベンチャーキャピタル投資と、エンジェル投資の合計450億ドル(当時)を凌駕する巨大なマーケットである。SNSでFriendsが拡大している今日、株式型クラウドファンディングは、米国でもFFF市場を広げている。

2017年9月にオープンしたGoAngelは、これまでに6社が目標募集額を達成し、総額1億円強の資金調達に成功した。銀座の熟成鮨専門の高級鮨店を経営する株式会社悟中。ファンの顧客を中心に約50名が株主となり1,600万円を調達した。国際教育特区で文科省認可の小学校を株式会社で運営するエデューレエルシーエーの株主の多くは、児童の保護者。英語を教えるのは当然、算数や理科などあらゆる教科を英語で教える英語イマージョン教育。その上、国語と作文、日本の歴史に力を入れて、世界に日本を発信できる真の国際人を育てる教育理念に共感する多くの保護者が株主となり、2,700万円を出資した。

一方、中には、上場までのスケジュールを華やかにうたい、個人投資家を集める株式投資型クラウドファンディングもみられる。AIやVRなど流行りの業種では、投資家が殺到する銘柄もある。しかし、ベンチャーキャピタルの投資先であっても上場できるのは10社のうち1社か2社。上場後のキャピタルゲインを期待して投資するのであれば、上場できない場合の損失リスクを十分に理解して投資をしなければならない。

とはいえ、世界で普及してきたクラウドファンディングの多くは、強欲な金融の世界とは一線を画しているように感じられる。企業が社会的責任を強く意識し、理念経営が広がる今日。そもそも株主の共同事業である株式会社において、株主の出資の目的も、単に自らの金銭的利益を得ることではなく、「社会に役立つ事業」そのものを支えることに主眼が移りつつある。株主から経営を預かる経営者の責任も、株主に金銭的利益をもたらすことから、事業目的たる社会的責任を果たすことに重きが置かれるようになってきた。
そのような社会的公器たる公開企業の第一歩が、株式型クラウドファンディングによるFFFの株主募集。尖った一部のベンチャー企業だけではなく、社会に役立つからこそ成長が求められる多くの中小企業の資本調達の手段として、広がることに期待したい。