【IoTビジネス活用企画会議】_04

【PR】POSではわからない顧客の売り場での行動を可視化して分析する

AI/Digital Signage/IoT /

インターネットとモノがつながり、さまざまな可能性が出てくるIoTの世界。今までできなかったことができるようになる、見えなかったものが見えるようになるなど、使い方次第で大きなビジネスチャンスを創り出す。今回はあるカメラ販売店からの「売り場でのお客様の購入行動に関するデータを集めたい」という案件について紹介する。

売り場での、お客様の購入行動に関するデータを集めたい

大手カメラ販売店様からの相談は、このようなものだった。

「カメラや交換レンズの販売で、どんな人が購入したか、ポイントカードを持っている方ならある程度分かるのですが、売り場でどんな人がその商品に興味を持って手に取っているか分かりません。そのカメラやレンズで撮影されたサンプル写真は売り場にあって、販売員の人が横についていれば見ているところを確認できるので、その方が興味を持っていることが分かります。しかし、常に販売員が横に立っているわけではなく、毎回お客様の特徴をメモにして残すこともできないので、すべてのお客様の商品に対する興味を把握することはできません。

商品を手に取ったり、サンプル画像を見たりしている人が、何人ぐらいいるのかを計測することはできないでしょうか? そうすれば、購入された数とは別に、購入まではいかなくてもどの商品が興味を持たれているか分かります。さらに、男性か女性か、年齢はどのぐらいの人か、家族連れ、といったデータも集められないでしょうか? そこまで分かれば、陳列する商品の構成や、セールの内容、売り込みをかけるべき年齢層や男女差を決めるなどのマーケティング用データとして大変助かります。」

どの商品が売れているかは、POSの販売データを見れば簡単に分かる。しかし、商品を手に取ってみたが、購入には至らない場合は数多くあるはずだ。お客様が手に取った数が分かれば、同じ売上台数なのに、一方は手に取られた数と販売台数が近く、一方は手に取られた数よりも売上台数が大幅に少ないというデータが得られるかもしれません。

値段が高いのか、性能が思ったほどなかったのか、重すぎて手になじまなかったのか、買う気はないが単に気になったから手に取っただけなのか。購入に至らなかった理由はいろいろ考えられる。少なくとも、手に取られた数と売上台数に差がある商品であるならば、数の差が少ない商品に比べて手に取ったお客様を納得させられなかったと考えられる。店頭での接客や展示では、ここがひとつの改善点になる。

手に取っている人の年齢層や性別が分かれば、この商品は若者に興味をもたれているのか、年配の方のほうが興味を持っているのか、男性向きなのか、女性向きなのかといった情報が得ることができる。その情報をもとに、年代や性別に合わせたプロモーションを打つこともできる。

さらにいえば、機能を絞って年配の方に向けて商品を開発したが、実は手に取るのは若者のほうが多く、どうやら写真を気軽に撮りたい若者層に受け入れられていた、そのような企画と現実のギャップに関する情報が得られるかもしれない。これまでメーカーは、購入者の情報は購入後のユーザー登録でしか得られなかった。それが売り場でデータを収集できるようになる。このデータは商品開発の参考情報として活用することができる。

ほかにも、商品が手に取られた情報と、手に取られた時間や季節、その日の天候、近隣で行われているイベントなどの情報とを紐づければ、さらに多くの情報を得られるだろう。例えば、この商品の売り場が混雑するのはどの時間帯や季節であるのか、どんなイベントがあるときにこの商品が興味を持たれるようになるのか、といったことも把握できる。売上データから見えない、売り場レベルでのお客様の購入行動を把握できれば、売上向上や商品開発に大いに役立つだろう。これまでは人の手で確認する以外、売り場でのデータ収集は困難であったが、今はさまざまなテクノロジーでそれが可能になってきている。

タグ、センサー、カメラとRaspberry Piを用いて解決

そこで本案件では、店頭に展示されているカメラに、RFIDやバーコードなどの認識用タグを取り付けることにした。安価で堅牢なRaspberry Piベースの汎用IoTゲートウエイであるBHに接続されたセンサーでそれを読み取り、該当のカメラで撮影したサンプル画像をBHからデジタルサイネージモニターに表示する。その際に、モニター側に取り付けたカメラで、商品を手に取った人の画像を解析して、おおよその年齢、性別、同行者がいるのかといった情報を収集するシステムを構成した。

カメラ売り場における行動可視化のためのシステム構成の概要

 

RFIDはradio frequency identifierの略で、電子タグ、非接触タグとも呼ばれ、電磁波や電波を用いて、非接触でタグに対して情報を読み書きする。RFIDのタグはIC回路とアンテナを備え、外部からの電磁波を動力源として稼働するパッシブ型と、動作のためのバッテリーを持つアクティブ型があり、バッテリーを持たないパッシブ型であれば数ミリ角程度の小型のものもある。情報の読み書きはパッドやゲート状に作られたアンテナを備えたセンサーで行われ、情報はセンサーを直接BHに接続して送るか、センサーをArduino互換IoTボードであるBiZduinoに接続して無線通信でBHへ送る。これにより、その商品に興味を持って手に取り、商品の情報を見ようとセンサーへ商品を乗せた数が計測されていく。商品陳列棚にセンサーを取り付ければ、手に取った時点でその商品が手に取られたことが分かる。

センサー類の構成

 

続いて、手に取られた製品情報をBHからデジタルサイネージモニターへ送り表示する。表示される情報は、そのカメラやレンズで撮影された画像のほか、スペックなどの詳細情報を表示する。ポスターや冊子と異なり、動画なども流すことができるのでお客様の目を引くことができるからである。今回は見送られたが、情報の切り替えは、タッチパネル式のモニターにすればお客様が自由に切り替えることが可能となり、多言語に対応することもできるので外国人顧客特有の需要を読み取ることも可能である。

デジタルサイネージとの連携

 

情報が映し出されるデジタルサイネージモニターに取り付けられたカメラは、情報を見るお客様の顔を認識し、画像を解析することで年齢や性別の情報を取得する。骨格や目、口の動き、シワなどを読み取り、何十万人ものデータと比較して数秒で判別していく。また、同時に写っている人の年齢構成から家族であるのか、同年代のグループであるのかなどを推測することも可能である。もちろん画像データそのもの保存することはなく、年齢や性別のデータだけ残し、暗号化して保存するのでプライバシーも確保されている。

収集したデータをクラウドで解析する

このように集められた年齢や性別のデータは、クラウドでほかのデータと紐付けられて解析が行われる。例えば、「ある季節では望遠タイプのレンズを手に取る人の数が増えている」「手に取っているのは男性で30代が多い」「男性と一緒に同年代の女性や10歳前後の子どもも同行している場合が多い」「近隣の学校のイベント情報を読み込むと、運動会の開催が近づいていることが分かり、どうやら子どもを撮影したい父親層がこのレンズに興味を持っていることが分かる」などがデータとして集積されていると、手に取って製品の情報を見ようとしたときに、同時に動く人を上手に撮る撮影方法も見られるように設定を変えておくことができます。それにより、お客様の興味をより高め、購入へ結びつける可能性を上げられるかもしれない。

ほかにも、このミラーレスカメラは20代の女性のお客様が手に取っていることが多いと分かるかもしれない。それならば、製品情報と一緒にカメラの持ち運びを便利にするスタイリッシュなアクセサリーなどの情報を同時に出すことも効果的だ。このようなシステムを取り入れれば、漠然としか分からなかった潜在的な購買層が購入前の段階で分かり、その層に合わせたピンポイントなプロモーションを打つことが可能になる。

このようなシステムはカメラ製品に限らず、店頭販促において多くの製品での利用が考えられる。例えば、化粧品売り場。メーカーごとに店舗が分かれたデパートの化粧品売り場のようなところならば、販売員が対面で対応するのでこの商品がどのような層に人気があるのかなどは把握できる。しかし、ドラッグストアのように多くの製品が並び、テスト用の商品が自由に使えるような店舗では把握することが難しくなる。こうした場合でも、商品にRFIDタグを取り付け、手に取った時点でそれを検知できれば、購入までに至らなかった分も含めて商品に興味を持った数が分かる。基本的に購入するのは女性で、商品の詳細も現物を見れば分かるものなので、カメラや画像解析まで行わない単純なシステムでも効果を上げられるだろう。IoTやAIなどの新しいテクノロジーは、今まで目に見えなかった、気づくことのできなかった人の行動や欲求を、目に見える形に変えていくことができるのである。

目に見えなかった消費者行動をIoTで可視化する。

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